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アレルギー性鼻炎ALLERGIC RHINITIS

アレルギー性鼻炎とは?

ハウスダスト・ダニや花粉(スギ・ヒノキ・イネ科・雑草など)を吸い込むことで、体の免疫が過剰に反応して起こる病気です。

主な症状

アレルギー性鼻炎

お子さんの場合、大人のような「くしゃみ・鼻水・鼻づまり」の典型症状を呈する方は多くありません。
多くのお子さんが、「鼻いじり、鼻や口をよく動かす、鼻血を繰り返す」という症状です。
一見見落とされている方が多く、診察時に「えっ、そうなんですか!!」と驚かれます。

また、「スギ花粉症」は、受験や就職、入学式・卒業式の時期に症状が出現し大きな影響を受けてしまいます。
「風邪かな?」と思っても長く続く鼻水は、アレルギー性鼻炎の可能性がありますので、気になる症状があればお気軽に受診ください。

診断の流れ

1

問診
症状が出る時期や生活環境を丁寧に聞き取ります。

2

診察
鼻の中を観察して特徴的な所見を確認します。

3

検査
血液検査や皮膚検査で原因となるアレルゲンを調べます。
(当院では30分で結果の出るドロップスクリーンも採用しています。)

治療の基本

アレルギー性鼻炎の治療は、「症状をやわらげる」「原因を避ける」「体質から変えていく」の3本柱です。

対症療法
症状をやわらげる
  • 抗ヒスタミン薬(飲み薬・点眼薬)(アレグラⓇ、アレジオンⓇ点眼液など)
  • ロイコトリエン受容体拮抗薬(オノンⓇなど)
  • 点鼻ステロイド薬(フルナーゼⓇ点鼻薬、ナゾネックスⓇ点鼻薬、フルミストⓇ点鼻薬など)
    → 症状や年齢に合わせて、安全性の高い薬を使い分けます。
抗原回避
原因を避ける工夫
  • 室内の掃除・換気
  • 花粉の季節はマスクやゴーグルの活用
  • 洗濯物は室内干しや花粉の少ない時間帯を選ぶ
  • 少しの工夫で症状の軽減につながります。
アレルゲン免疫療法
体質改善を目指す
  • お子様でも受けられる治療です。小さな時から体質改善を行うのは、大変重要です。
  • 原因物質を少しずつ体に取り入れ、数年かけて免疫を慣らしていきます。
  • 「根本的な治療(体質改善療法)」として注目されています
  • 日本では スギ(シダキュアⓇ) と ダニ(ミティキュアⓇ・アシテアⓇ) に対して実施可能です
  • 注射で行う「皮下免疫療法」もありますが、舌の下に薬を置く「舌下免疫療法」が主流で、安全性が高いためご家庭で続けられます

保護者の皆さん・お子さんへのメッセージ

アレルギー性鼻炎はコントロールできる病気です

「しっかり眠れる」「学校や遊びに集中できる」生活を一緒に目指していきましょう。

舌下免疫療法(SLIT)と皮下免疫療法(SCIT)の比較

項目 舌下免疫療法(SLIT) 皮下免疫療法(SCIT)
方法 毎日、自宅で薬(液剤または錠剤)を舌の下に数分置き、その後飲み込む 医療機関で定期的に皮下注射を受ける
対象アレルゲン スギ花粉(シダキュアⓇ)・ダニ(ミティキュアⓇ、アシテアⓇ) スギ花粉、ダニなど(保険適応は一部)
治療期間 原則3〜5年、毎日継続が必要 原則3〜5年、定期通院(最初は週1〜2回、その後は月1回)
効果 症状の軽減・薬の使用量減少・長期的な再発予防効果も期待 症状の軽減・薬の使用量減少・効果はより強力とされる
開始時期 スギ花粉:花粉飛散期を避け、6月〜11月に開始
ダニ:年間を通じて開始可能
スギ花粉:飛散期を避けて開始
ダニ:年間を通じて開始可能
安全性 比較的安全性が高く、自宅で行える
重篤な副反応はまれ
効果は強いが、重篤なアナフィラキシーのリスクがあるため、必ず医療機関で実施
副反応のリスク 口の中のかゆみ・腫れ・違和感・のどのかゆみ(多くは数日〜数週間で軽快) 注射部位の腫れや痛み・全身のじんましん・まれにアナフィラキシー
メリット 安全性が高く、自宅でできる
注射が苦手な子でも取り組みやすい
効果が強く、通院管理のもとであれば進めやすい
デメリット 毎日の内服継続が必要
効果が出るまで時間がかかる(半年〜1年)
注射による痛み・通院負担が大きい
アナフィラキシーに備えた医療管理が必須